校長室便り

令和6年度 校長室便り⑩

  • 2025年01月08日
  • 校長室便り

令和6年度 3学期始業式あいさつ

皆さん、おはようございます。そして、あけましておめでとうございます。有意義な年末年始を過ごすことができましたか。
 さて、お正月には様々なテレビ番組がありますが、皆さんはどのような番組を見ているのでしょう。私はスポーツやお笑いが好きなので、その両方を往復しながら過ごしていました。
 特にスポーツで言えば、全日本実業団対抗駅伝競技大会(ニューイヤー駅伝)が元日にありました。69回目を迎える大会で、80年以上前に宮崎県延岡市で創業した旭化成株式会社の陸上部が5年ぶり26回目の優勝を果たしました。最終区間までもつれ込んだ試合でしたが、2位に付けていた旭化成のアンカー選手が1位の選手にぴったりと追走し、最後のラストスパートで振り切った優勝でした。
 また、2日、3日には、箱根駅伝で有名な東京箱根間往復大学駅伝競走(正式名称)がありました。101回目を迎える大会でしたが、青山学院大学が2年連続で8回目の優勝を果たしました。
 そこで、今日は私が駅伝やマラソンから学んだこと、教えられた言葉の一つを紹介したいと思います。
 今から33年前の第68回箱根駅伝において、山梨学院大学が創部7年目で初優勝しました。その後に、監督である上田さんが残した言葉が印象に残っています。
 「おごるなよ。丸い月夜もただ一夜」という言葉です。みなさんはどのように考えますか?
 私はこのように考えました。今日、夜空に輝く満月も明日になれば、すこしずつ欠けていく。いずれ新月(真っ暗)になり、また満月へと向かっていく。このことから、優勝という活躍におごることなく、毎日毎日、日々努力することが大切であるということを訓えている内容だと考えました。
 山梨学院大学の駅伝部も苦労を重ね、やっと掴んだ優勝でしたが、それに満足することなく、次へ向かってまた日々の努力を重ねていくという上田監督の謙虚さと、次への意気込みが伝わってくる言葉でした。
 数年後、今から24年前の2000年シドニーオリンピックのマラソン女子競技で金メダルを獲得した高橋尚子選手の座右の銘を知ることがありました。その言葉は高橋選手の高校時代の陸上部の中澤監督から教えられた言葉で、「丸い月夜も一夜だけ」というものでした。私はあの上田監督と同じだと思いましたが、もしかすると上田監督の言葉が伝わっていたのかも知れません。
 この「丸い月夜も一夜だけ」という言葉は、駅伝やマラソン競技だけにとどまらず、私たちが生きていく中で大切なことを教えてくれている言葉として、私にとって記憶に留まった言葉の一つとなっています。
 今日の始業式で話そうと詳しく調べていたら、最後に次のような言葉を見つけました。
 「真っ暗な新月の夜も、一夜だけ」
 皆さんはどのように解釈しますか?私は落ち込んだり悩んだりしても、少しずつ解決へ向かうものであると解釈しています。
 そして「丸い月夜も、一夜だけ」と重ね合わせて考えると、よい出来事があっても嫌な出来事があっても、おごったり落ち込んだりすることなく、その日、その時の自分のやるべきことに一心に取り組むことが大切であるという訓えにつながっていると考えているところです。今年一年、よいことや楽しいことがたくさんあって欲しいけれども、それらにおごることなく、また嫌なことがあっても落ち込んだとしても一喜一憂することなく、一日一日を大切に、自分のやるべきことに取り組んでいく、そういう一年にして欲しいと思っています。

 最後に、中学生、高校一年生は次の学年への準備ではなく、ステージへ上がった3学期にして欲しいと思います。3年生には今日から卒業までの間に、粘り強く受験に向かう姿、進路が決まっていてもさらに自分を高めている姿など、多くのことをここにいる後輩に伝えて欲しいと思います。卒業まで、自分のやるべきことに一心に取り組んでください。

以上で、3学期始業式の挨拶とします。